宮大工職人

親も子も将来のために安定した収入を望み、安定した人生観の中からは社会のことは除外して、改革など望む人はいない。一回の手続きで済むものも、関係各課に同じ手続きをさせられることがあるが、民間では無駄な行為として改善がなされるようなことでも、彼らには無駄という感覚はないし、仮にあったとしても、それを表に出すことはタブーとされている。鵤工舎の代表である、宮大工の小川三夫(おがわぷつお) 氏は著書『不揃いの木を組む」(草思社)の中で寺社建設のため、集められた木々は一つとして同じものがない、不揃いの木を、それぞれの癖を活かして使っていくことが、浄財を寄進してくれた檀家の人達に報いる建物になる。どんなに優れた技を持った棟梁でも一人では建てられない。いろいろな癖を持った不揃いの職人技が必要だと述べておられる。更に割算や分数がわからなくても、のみを使う技術が誰にも負けないものを持っていれば、宮大工職人として貴重な存在だとも話しておられる。職人の世界における優しさは、過去に非行少年や暴走族であったとしても、学業成績が悪くても、高校中退者であっても、大卒者であっても精進努力すれば等しく報われるところにある。依頼者の心を読んで完成させるためには、職人の技がいかんなく発揮されるための環境を整えることである。間取りは非常に重要です。←こちらのサイトからいろいろな間取りを参考にできます。元請会社や現場監督の無理な押しつけなどによる利益優先を掲げる場合には、職人の技は寧ろ必要ではなく、忠実に仕事をこなす組立技術者が重用されることになる。環境問題から外れてしまったと誤解されるかもしれないが、社会を構成する不揃いの人間たちの心を理解しようとしない社会においては、「自然にやさしい」とか「環境共生」などという言葉を安易に使うべきではないと思う。なぜなら、そもそも他者への共感が欠けていては、環境問題を真剣に考えることなどできないからである。

DW085_L

WordPress Themes